8月に入り、台風が多かった7月とは思えないほど日照りが続いていますね。
私は毎日こもって制作しています。山ですし、クーラーもつけているので涼しいです。
が、たまに外出して、町に下りると暑さに全く慣れていない私はコンクリートジャングルにすぐクラクラです。
さて、綿花の様子を報告しなくちゃと思って書き始めたのでした。facebookでは報告していたのですが、こちらでは芽の段階で止まっていましたね。もうめちゃくちゃ成長してます。っていうのと、綿花をなぜ育て始めたかの理由をあまり詳しく書いてなかったので、それを報告しようと思います。
とりあえず先に綿花の様子。
写真をクリックしてもらえれば、日付とコメントがでます。
いつも植物を枯らす私がちゃんと育ててる!芽から出て大きくなると見てるのが楽しいんですね。
なぜ綿花を育てるのかの理由ですが、
私の最近の作品は糸と漆を使っています。
糸を使い始めたのは、漆が「何にでも塗れる」ことと「乾固すると強度がつく」というところに着目しました。さらに縄文時代からも腐敗せず、残せるという「長く保存がきく」という特徴から、
来年、自分で手間暇かけて育てた綿を糸に紡ぎ、その時間
私が育ててるから私の2015年の時間や想いがこの綿花には与えられていて、それを糸にして編んで作品に(具現化)したものを漆で固めて保存します。
「星の王子さま」のバラときつねの話を知っていますか?
王子はその世界には一本しかないバラを一生懸命世話をするのですが、バラはプライドが高くわがままで、王子はバラを愛しているけれど、信じられなくなってしまい、別の星に旅立ちます。
あちこち星を旅する中で、たくさんのバラを見つけ、自分はこの世にたった一つの、特別な花を持っているつもりだったけど、本当はただのありふれた、つまらないバラだったのだと気がつき、泣いてしまうのです。
そんなとき、王子さまは一匹のキツネと出会います。
寂しかった王子さまは、キツネに「友達になって」と言いますが、キツネは「きみとは遊べない。なついてないから」と答えます。
キツネが言うには、「なつく」とは「絆を結ぶ」ということ。そのためには、「がまん強くなること」。毎日同じ時間に会いに来て、となりに座る。言葉は誤解のもとだから、何も言わない。
だけど、少しずつ、近くに座るようにしていく。
そのうちに、お互いが、他の誰とも違う存在になっていく。。。
別れのとき、最後に王子さまは、キツネの勧めでもう一度五千のバラが咲く庭園に足を運びます。
そして大切なことに気がつくのです。
「きみたちは、ぼくのバラとは全然違う。外見は美しいけれど、いてもいなくても、おんなじだ。でも、あのバラだけは、きみたち全部よりも大切だ。自分が美しいと思って精一杯守ってあげたバラだけが、ぼくのバラなんだ。」
それを知った王子さまに、別れ際、キツネはこう教えるのです。
「きみのバラをかけがえのないものにしたのは、きみが、バラのために費やした時間だったんだ。」
「いちばんたいせつなことは、目に見えない」
ここまで読んでもらえれば、なんとなく私が表現しようとしていることが伝わるでしょうか?
目には見えない「時間」を作品にすることで具現化しようとしています。
私が2015年に(まだあと4ヵ月ありますが)感じることは、「与えてもらった年」だと思っています。今までもいろんな方にお世話になってきましたが、作品作りは一人でやってきたという意識が強かったのです。
しかし、今年は私の作品について、「他人に相談する、意見をきく、協力してもらう」ということをして、想像以上にアイディアや、方法、技術、考え方、捉え方などを得ることができました。
そして、このことから来年はお返しに与える年にしたいなぁと思っています。
さて、私のことばかりを話しましたが、あなたの2015年はどんな2015年ですか?
上記は2016年の作品の話ですが、2015年の個展の作品もこの2016年につながる作品になっています。
<ちなみに>
星の王子様の続きですが、あのあと、王子さまの気づきは、続きます。
「花の言うことなんて、ぼくは聞いちゃいけなかったんだ。ことばじゃなくて、してくれたことで、あの花を見るべきだった。あの花はぼくをいい香りで包んでくれたし、ぼくの星を明るくしてくれたんだ。ぼくは、逃げだしたりしちゃいけなかった!でもぼくは、あまりに子どもで、あの花を愛することができなかった」
あれで終わっちゃうと、王子は自分の時間だけを愛しているように感じてしまうのではないかと思い、添えときました。
あとバラは多分、王子にしかわがまま言わないんじゃないでしょうかね。
帰ったらもっといい関係を築けるといいですね。
でも、長年付き合ってうまくいってるとこも、長年付き合ってたのに別れるところもあるから、一概に言えないなぁとも実は思っています。
おわり。
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