綴る(つづる)

綴る・・・欠けたり破れたりしたところをつぎ合わせる。

 

今回、私は 「私の山」を表現しています。

私は山育ちで、山の大きさ、隆起、山に入った時の木々の木洩れ日が好きです。  

この山は欠けていたり、破れているところをつなぎわせています。

 

私は他人の良いなと思ったところ、

感動したところを学びたいと思います。

 

私は周りの人に影響されながら、私を培っています。

私のもちきれないもの、できないこと、

を他人に補ってもらっています。  

 

培ったもの、もらったもの、頼るもの、それらをつなぎ合わせて、

山を編み、強い形になるよう漆で包み、固めました。  

 

そして

作品を見て、何か を感じたならば、私とあなたには共有する

 何か があります。

 

私 の中に あなた がいます。

あなた の中に 私 がいます。  

この山は「私の山」です。

でも、「あなたの山」です。

 


これが今回の作品についての紹介文です。

今までのいろんな人との関わりを表現するために私の思い入れのある土地の糸を組み合わせて編みこもうと思いました。声をかけたのが私の出生地の島根県、大学のある京都、あと人との関係があり、よく遊びに行く東京都、愛知県、石川県です。

それらの土地を編みこんだ一つの作品を作りました。

それが「私の山」です。

その基本となった形は私の住んでいる町の形です。

 

私は私が作った作品だけれど、外に出した時点でもう私のものではなくて、見る人のものでもあると思っています。

なぜなら、見る人が全く私と同じ経験や価値観、記憶を持っていることはなくて、その人の中のもので、その作品を見て、感じるからです。

その感じたものは全部あなたのものです。

私の作品は、それによって導かれたあなたの中にあるものを呼び起こすスイッチになればいいと思っています。



傲慢かもしれませんが、私は美術作品に対して他人事のように見られることに疑問を感じています。私は「いいな」と思ったものを表現しています。見る人がそれを「いいな」と思うことがあれば、似たものを持っているのだと思います。見た目だけでなく、コンセプト含め。

別に何も思わなくても、作品から相手を知る手段になります。ただ媒体が作品であっただけです。

作品をただ見るもの、とするのではなくて、自分の中にも落とし込んで見てほしいという気持ちがあったので、上記の紹介文のような作品になりました。

 

文を書くのを怠っているので、大変わかりづらい文章ですみません。

読んで頂きありがとうございました。

ぜひ個展のほうにお越し頂ければ幸いです。