忘れてた大事なことを思い出した。

茨城県北芸術祭に行ってきました!

最近芸術祭とかトリエンナーレとか瀬戸芸みたいなのが多くなってきたなぁ。どうなんかなぁ。と思いながらも期待して行ったのですが、期待以上でした!

レンタカーを借り、「山か、海か」というキャッチフレーズから「断然山でしょ!(言うて海も好き)」ということで、山コースを選択!最近気になっている落合陽一さんの展示もあるというのもありました。

 

スタートはモデルコースを参考に常陸太田駅から!まず常陸(ひたち)という文字が読めなくてナビ設定に苦戦^^

駅に着いたのが11時すぎぐらいで、モデルコースタイムより遅かったので行きたい所を中心にするため近場(鯨ヶ丘地域)を飛ばしました。

 

まず最初は旧常陸太田市自然休養村管理センターへ。

前に見たいと思いながら見れなかった石田尚志さんのアニメーションによるインスタレーションがあり、他には最先端であるバイオアートがまとめられている展示場所でした。

聞いてて興味があったバイオアート。微生物などの見えないけれど確実に存在しうごめいている存在を想像するの、好きです…

そこで出会った「空白のプロジェクト#3‐大宇宙の片隅」が一番気に入りました。パッと見、苔玉が数点床に配置してあるだけの作品で、最初見たとき苔玉転がしただけでよくわからないなぁと見ていました。キャプションに解説があり、そこには「・・・砂や土に棲息する微生物で発電する微生物燃料電池(MFC)に出会いました。・・・苔玉が生む電気で気配を成立させる目標のため、発電とエネルギーの体験方法を試行錯誤していきます。会期中、苔から生まれたエネルギーで苔玉が歌い踊り出すかもしれません。」と書かれており、「???」が浮かび続け、何なんだろうなぁ?と見ていたら衝撃的な展開に思わず声を上げてしまいました。これ以上書くとネタバレになってしまうので、ぜひ生でご鑑賞ください!

あと「ハッカソン」という方法で集結したデザイナーや建築家によるチームの「ヴァイド・インフラ」という作品は社会貢献力あるなぁと思いました。映像作品がちょうどいいくらいの長さで音楽もはじけた感じで格好よく、良かったです。

 

そしてお目当てがいる、旧美和中学校へ。

美和中学校は常陸大宮コースに属していて、車で常陸太田市から1時間ほどのところでした。途中道が一方通行なんじゃないかと戸惑うぐらい細い道を通り、なのに交通量が多く、運転技術を向上させてくれました・・・。

作品は科学技術とアートの融合によるリアルとヴァーチャルのメディアアート系が集まっていました。

落合さんの「魔法の世紀」を読んでいる中に登場するコロイドディスプレイやシャボン玉にフラッシュライトをいろんなリズムで当てて見え方の変わる作品が展示してありました。実際に見ると本の内容がよりわかりやすかったです。これで一個上の年齢か・・・。正直本に書いてる内容は半分も理解できません。言ってることはわかるのですが、実際にやってみないと理解できたとは言い難いなと思っています。(わかるっちゃ分かるんですよちゃんと…)

あと「大地の星座-いばらきけんぽく座-」が面白かったです。“金網を張った三面で構成される立体物が衛生から写真を撮ると光って撮れる”ということから茨城県北芸術祭の中心になる場所で有志者を募り、どこが一番光るかを競って、地上の星座を作るプロジェクトでした。何故かはわかりませんが、すごいわくわくする楽しそうなプロジェクトだなぁと思いました。展示室にはJAXAが協力して衛生から撮影された、「いばらきけんぽく座」が光っていました。

 

以上でもう帰らなければならない時刻になってしまい、これらしか見れなかったのですが、言っていたのに大事なことを忘れていたのを思い出しました。

 

コンセプトを基本にメディアアートやバイオアート、流行っているし、見たことがない最新技術で私も嫉妬するぐらい注目されているのですが、これらの技術によるアートはこれから誰にでもお手軽にできるようになるものです。今はまだ専門でないと難しい段階ですが、AIの普及が思っている以上に早くなっている中、いろんなことが簡単に早くできる世の中になってくるだろうと推測します。そうなった時、誰にでもできるアートに価値があるのだろうか?と思います。“誰にでもできる”のはいいことです。1から2、3はすぐ出来上がるでしょう。でもそれらは1-2、1-3でしかありません。

コンセプトがしっかり詰められていれば技術がそこそこでも、既製品でも評価されてきました。でもこれからは技術もAIがやってくれるようになり、一定のクオリティまでは引き上げられるようになります。それが当たり前になってきます。

発想があれば誰でもできるものでも、その発想が面白かったり、それを魅せるための気遣いが私は好きですが、少し危険な匂いもするなぁと思っています。

アナログが絶対良いとは思いませんが、アナログで行ってきたことのように、繰り返し何度も実験を行い失敗しながらもより良いほうに持っていく力が必要になってくるのではないかと思います。与えられたものからはみ出る力や、自分で試行錯誤して手に入れることの経験。それらがあってこその技術の活用の方が厚みが出るように思います。

これは何の根拠もなく、ただ感じていた事柄ですが…。

 

もう一つ、これからのことを考えたときに、大事になるのではないかと思ったのは、作り手の感性だけではなく、観る側の感性、鑑賞力があると、多様化し飽和してきたとしても、まだ面白いことを増やせるのではないかと思いました。

 

その鑑賞力がどういうものかについては面白い会にも参加してきたので、次のブログの方で詳しく書きたいと思います。